多重債務問題改善プログラムの決定について
(第54号 2007.5.30発行)
@ 丁寧に事情を聞いてアドバイスを行う相談窓口の整備・強化
住民への接触機会が多い地方自治体の相談窓口における対応を充実し、遅くとも改正貸金業法完全施行時(概ね平成21年末をめど)には、どこの市町村に行っても適切な対応が行われる状態となることを目指します。特に、現在も相談窓口がある程度整備されている自治体や、地域で中核的な役割を果たしている人口規模が大きい市には、丁寧な事情の聴取や具体的名解決方法の検討・助言ができるよう相談体制・内容の充実を要請します。
また、都道府県においても、市町村の相談体制を補完するほか、警察、弁護士会、司法書士会等関係団体との「多重債務者対策本部(又は同協議会)」を設立し、必要な対策を協議します。
国においても、国の機関における相談体制の強化を図るとともに、相談員向けの研修・指導の機会を設けるよう促します。
A 借りられなくなった人に対する顔の見えるセーフティネット貸付けの提供
特に消費者向けのセーフティネット貸付けにおいては、丁寧な事情聴取、貸付け後のモニタリングを行う「顔の見える融資」、いわば「日本版グラミン銀行」モデルの拡大を目指します。
また、既存の消費者向け、事業者向けのセーフティネット貸付けについても活用を促進します。
B 多重債務者発生予防のための金融経済教育の強化
全ての生徒が社会に出る前(高校卒業前)に、借金をした場合の金利や返済額、上限金利制度、多重債務に陥ってしまった場合の救済策(相談窓口の存在など)等の知識を得られるようにします。当面はホームルームで借金問題を取り上げることを検討しますが、さらに、高校の家庭科の学習指導要領において、多重債務問題について取り扱うことを検討します。
C ヤミ金の撲滅に向けた取締りの強化
ヤミ金の撲滅に向けて当分の間集中取締本部を維持し、取締りを徹底します。また、現場の警察官に対しては、実践的な対応マニュアルを配布する他、携帯電話の不正利用停止制度や、犯罪収益移転防止法における本人確認、疑わしい取引の届出等の制度の積極的な活用を検討します。
今後も、多重債務問題の解決に向けて、関係省庁が十分連携の上、国、自治体及び関係団体が一体となって本プログラムを実行していくことになります。そして、各施策の進捗状況のフォローアップを行い、本プログラムの着実な実施を確保します。
金融庁
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